<超酸性水とは>

 塩を混ぜた水の真ん中にプラチナの膜で仕切りを入れ、そこに電気ビリビリすると”超酸性水”と”超アルカリ性水”に分離出来ちゃうんですが、この”超酸性水”は細菌やウィルスをブチ殺すことが出来るし”超アルカリ性水”はタンパク質を溶かしちゃうことが出来ます。
そんな内容を↓真面目に書くとこんな感じです。

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  • pHが2.7以下(家庭用アルカリイオン水生成器の酸性水は4〜5)
  • 残留塩素濃度が10〜50ppm
  • 酸化還元電位が約1100mV以上
  •  の水を言いますが、その作用は
  • 性質は基本的に「水」なので、細胞毒性,副作用,残留性が無く
  • 皮膚や粘膜などへの術前の消毒にも適しており、即効性が有る
  • 強力な殺菌作用が有り(殆どの細菌,ウィルスを瞬時に殺菌又は不活性化)
  • 加熱が不可能な医療器具器械、印象剤や石膏などにも対応可能
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 で、従来の消毒薬と比較して対応の幅が広がっています(下表参照)。

超酸性水とその他の消毒薬液との比較

消毒剤有効濃度一般細菌 MRSA緑膿菌 結核菌真菌芽胞 HIVHBV
超酸性水ph2.7
30ppm
1000mV
グルタールアルデヒド2%
次亜塩素酸ナトリウム1.000ppm
ホルムアルデヒド0.5〜1%溶液
ポピヨンヨード-×
希ヨウドチンキ3%×
消毒用アルコール70%××
フェノール-×××
クレゾール石鹸-×××
塩化ベンザルコニウム0.05〜0.1%××××
塩化ベンゼトニウム0.05〜0.1%××××
クロルヘキシン5%××××
◎=即効性 ○=有効 △=十分な結果が得られない場合がある ×=無効
超酸性水は非常に有効な消毒薬ですが、反面、
  • 金属に対して腐食作用がある
  • 経時的変化により殺菌作用が低下する(1週間程度でpHが中性に戻ってしまう)
  • 少量の使用では、蛋白質等の有機物が触れる事で殺菌作用の低下が見られる
などのデメリットも有ります。

 当院では、通常の消毒薬と併用して、超酸性水を外科器具消毒、リーマー等の根管治療器具、診療ユニット清拭、診療器具(基本セット)の一次消毒、印象(歯型)の消毒等に使用しております。
 尚、デメリットである金属の腐食に対しては、消毒後に超酸性水精製時の副産物である超アルカリ性水で中和し、またpHの上昇については、ほぼ毎日pHを計りながら新しい超酸性水を精製し、古い超酸性水を使用しないようにしております。
 また、有機物による殺菌作用の低下に対しては、先に超アルカリ性水で有機物を破壊した上で超酸性水を使用する事で対応しています。