<歯周病治療>

 歯周病(ししゅうびょうはその昔”歯槽膿漏(しそうのうろう)”なんて呼ばれていました。
 これ、病気の原因がわかって来て病気の見方が変わったから、呼び名も変わったんですね。
 昔の呼び名”歯槽膿漏”ですが、これは
歯を支える【歯槽骨(しそうこつ)が膿(う)んで漏(も)れる】という、骨が腐って溶けて行く現象を病名とした訳で
 今は、歯の周りに付いた歯クソを栄養源とした歯周病菌群(ジンジバリス菌群)が、プラーク(バイオフィルムとも言う)を歯グキの周りにネッチョネチョに作りまくって、歯グキに炎症を起こしつつ歯周ポケット(歯と歯グキの隙間)から骨の方へ入って行って、歯石を作りまくりながら骨を溶かして、さらに進むと不良肉芽(歯周ポケットの中の方に出来る不良なお肉)も出来ちゃって「歯グキも骨もマジヤバいじゃん!」というシステムがわかっちゃったので、歯の周り全体の病気と捉えて歯周病となったわけです。
上を読んでいただくと、歯周病を進行させる要因がなんとな〜く見えてきますね。
  • 食べカス(歯クソ)
  • ジンジバリス菌(歯周病菌)
  • プラーク(バイオフィルム)
  • 歯石
  • 不良肉芽
ポケット
 ・さて歯周病治療ですが、食べカスを取り除いて歯周病菌の増殖を抑え、プラークを作らせないようにするのは、毎日・毎食口にモノを入れているあなたのブラッシング(プラークコントロール)の見せどころです!
 ・それでも取り除けなくなってしまったネットネトのバイオフィルムや、その先の歯石(Tartar:たーた)は、あなたの努力だけではムリっぽいです。

<バイオフィルム&歯石の除去>

歯科医院で行うPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)で除去します。超音波スケーラーとか研磨ブラシつかって行う、アレです(予防歯科のページ参照)。
●バイオフィルムは本来なら、ていねいなブラッシングや電動歯ブラシで除去可能なハズなのですが、放置して歯石を作ってしまう前に歯科医院で除去した方がいいですよ。
●歯石(プラークとツバのCaが合体してできた軽石)となると、さすがに素人さんでは難しいのですが、ハ○ズとかで道具買って自力でやる方、いますね。歯の表面キズだらけにして、かえって着色やプラークが付き易くさせちゃっうのが殆どなので、歯の表面キズつけないように歯科医院で除去した方がいいですよ。

<歯周外科治療>

 さらに歯周病が悪化していくと歯石が歯の根元の方に進んで行き、そこに接する歯グキも不良肉芽へと変貌を遂げ、普通のPMTCではムリっぽい状況になっていきます。
 ザックリいうと、
  • 第一段階:歯グキを切り開かないで歯の根の側面の歯石と不良肉芽を歯周ポケットからゴリゴリ掻き出す処置。
  • それではダメなほどの歯周病の進み具合では
  • 第二段階:ザックリ歯グキを切り開き、歯の根元にまで付いている歯石をそぎ落とし、不良肉芽もそぎ落とすオペ。
 という具合ですが、歯周外科の第二段階レベルだと「歯周外科専門医」に診てもらうべき手術となります。ここまでやっても「毎日のブラッシングがダメだと、歯周外科手術はムリ」って言われちゃうと思いますが。

※この段階でも改心して(笑)ブラッシング教で信心すれば、エムドゲインとかGTR法とか、手を差し伸べてくれる神が降臨するかも知れません