<ムシ歯治療>

 ムシ歯は、ムシ歯菌(ミュータンス菌:連鎖球菌の一種)が醸し出す酸によって、歯が溶かされて穴が開くことを意味します(歯が溶け始めるのはpH5.5↓ぐらい。意外と溶けやすいのよ)。
 醸すためのエネルギー源は、知ってると思いますが、口に入った食いカスです。
 で、その進行の度合い(穴の開き具合:神経のやられ具合、歯の溶け具合によって治療内容が変わってきます。
 治療の対象となるのはC1〜C4の分類で、それぞれ下記のような状態と治療内容になります。
※C(シー)は「Dental Carries」の「C」です。

↑ミュータンス菌↑
<C1>自覚症状はほぼ無いです。

 歯の表面の一番硬いエナメル質だけがムシ食っている状態で、歯の表面に白い斑点となって現われ、だんだん黒ずんで来ます。奥歯では溝に沿って白いスジ状になる事があります。
<処置>ちょっと削って、光で固まるレジン(光重合レジン)を詰める程度です。

※くわしくは「修復治療について」をクリック!
<C2>歯がしみる症状が出てきます
 (Cが無くてもしみる時は、知覚過敏かも)。

 内部の象牙質にまでムシ食いが広がった状態で、象牙質の細かい管(象牙細管)から神経に刺激が伝わり、症状がでます。
<処置>麻酔をしてから、深く削って光重合レジンを詰めるか、部分的な金属(In:インレー)を作って入れます。

※くわしくは「修復治療について」をクリック!
<C3>冷たいモノ・熱いモノにズキズキ痛むようになります。

 象牙質の内部の神経(歯髄:しずい)にまで穴が広がって、神経がやられ始めた状態です。
<処置>神経が強く炎症を起こすとほとんど治らないので、麻酔をして神経を取る処置(根の治療)をします。取ってもウミがなかなか収まらない時は根の治療が長引くかも。根の治療が終わったら冠を被せる「ほてつ治療」に移ります。
<C4>もう歯はボロボロ、神経もほぼ死んでいて、もう痛みがほぼ出なくなった状態です(よくぞここまで放置した!という状態)。

 歯が溶けてほとんど崩れ去ってしまった状態で、神経が腐ってウミみが出てくる為、熱によって骨の中でウミが膨張して痛みます。ウミが歯グキの方にまで出てくると、歯グキが腫れます。
かなりヤバそうな感じですよね。
 前に治療した歯の詰め物が取れてそのまま放置すると、気付かぬうちに(取れたのは気付いてるのに)この状態になることも。
<処置>ほぼ抜歯(ばっし)手術になります。
その後は入れ歯かブリッジで補う「ほてつ治療」に移ります。