<予防歯科について>

 予防歯科、よぼうしか・・・
 歯医者関係のCMではよく耳にする言葉ですね。
 何を予防するんだっけ?歯医者通いを予防するんだっけ?
 まあ、当たってないけどハズレでも無いです(笑)
 ざっくりいうと「口の中の細菌の増殖を抑える・予防する」んですね。
 口の中の細菌って、どんなモノがあるのか?そもそも細菌を無くせるのか?
 なんですが、約700種類の細菌が100億個いるらしいんです。「こりゃ細菌を絶滅させるのは不可能だな」というのもお解りかと。最良なのは菌を”減らす””増やさない”事です。
 ●たとえばムシ歯菌(ミュータンス菌:空気が好き)は歯の表面に付いてムシ歯を作りますが、血液に入ると(口の粘膜は毛細血管だらけですから)心内膜炎や心臓弁膜症、脳出血を起こしたりします。これ、すでにエビデンス(根拠)ありです!
 ●それと歯周病菌(ジンジバリス菌群:空気が嫌い)は、歯グキの隙間に入り込んで骨を溶かして歯をグラグラにしますが、血液に入ると動脈硬化やリウマチ、糖尿病、アルツハイマー型認知症(アミロイドβの脳への蓄積を10倍に増やす)を起こしたりします。これも、エビデンスありです!

 ということで、時代はもう”ムシ歯予防”とか”歯周病予防”の領域から「全身疾患を引き起こす口の中のヤバめの菌が、血液に入るのを未然に防げ!」という領域になって来ています。
 その手っ取り早くて効果がある作戦が「日々の口腔清掃(歯ブラシやウガイ)」で、それで取れない汚れや炎症を歯科医院でやってもらうのが「歯石除去などのPMTC(歯医者でやる汚れ落とし)」です。
 口の中の清掃は、いまや全身疾患の予防として重要な役割を担っています。
 そして、毎日のブラッシング(歯ブラシをすること)が最重要なのです。
 つまり「予防歯科」とは、口の中の細菌群を増殖させないように「食事指導」や「歯ブラシ指導」また「PMTC」を行うことなんですね。
※PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)=「専門家が機械を使って歯を掃除する」って事ですが、実はちょっとでもムシ歯や歯グキに炎症があれば(歯科病名が付けば)保険適応なんですね。